2019年10月12日に東海地方・関東地方を直撃する「台風19号」。
この台風ととてもよく似ていると比較されているのが、1958年の9月27日の「狩野川台風(アイダ)」です。
狩野川台風は、2019年の台風19号とほぼ同じ進路を通り、伊豆半島や関東地方に甚大な被害を与えました。
狩野川台風がどのような被害を出したのか、2019年の台風19号との類似点や、直撃した場合の被害予測についてまとめました。
[originalsc]
[toc]
狩野川台風の被害状況はどんなものだった?
1958年の9月27日に日本列島を通過した、狩野川台風。
相当な人的被害を与えたことでも有名な大きな台風ですが、実際の被害状況はどのようなものだったのでしょうか。
まず死者・行方不明者などのデータは以下のようになっています。
- 死者:888人
- 行方不明者:381名
- 住宅の全壊:2218棟
- 半壊:2175棟
- 住宅の床上浸水:13万2227棟
- 住宅の床下浸水:38万9488棟
- 狩野川の氾濫
- 首都圏でがけ崩れや浸水被害
関東地方を中心に、かなり大規模な被害が出ています。
台風が去った後も、河川の決壊による鉄砲水や土砂崩れなどの2時被害を受ける人も相次ぎました。
被害の状況を物語る写真もあります。
狩野川台風ってなに?って人のために貼っておきます。
祖母から話はよく聞かされました#狩野川台風 #台風19号 pic.twitter.com/LSMPhrvWTa— こーき@86 (@kouki_zn6_) October 11, 2019
#台風19号 「 #狩野川台風 に匹敵」。狩野川台風とはどんな台風だったのでしょうか。 #台風 #台風備え #台風対策https://t.co/jdIn30j3e0
— 毎日新聞 (@mainichi) October 11, 2019
河川の決壊や、土石流が起こり、各地でたくさんの人が亡くなったこの狩野川台風は、過去の日本で起きた台風被害の中でも1、2を争う大きなものでした。
東京での死者は46人、大規模な鉄砲水が起きた旧修善寺町では、死者・行方不明者合わせて460人もの方に被害が出る結果となったのだそう。
こんなにも大規模な被害を出した、狩野川台風の勢力はどのようなものだったのでしょうか?
- 1958年9月21日にグアム近海で発生した台風
- 中心気圧は877ヘクトパスカル
- 1958年9月26日、午後9時過ぎに、静岡県の伊豆半島の南端へ上陸
- 1958年9月27日、午前0時ごろに神奈川県三浦半島を通過
- 1958年9月27日、午前1時頃に東京を通過
- 降水量は、371.9ミリ
狩野川台風は今より61年も前に起きた台風なので、現在のように住宅や河川の整備も万全ではなかったことも、大きな被害を生んだ要因の1つになっているのかもしれません。
とはいえ、狩野川台風と2019年10月12日に上陸予定の「台風19号」は勢力や進路がとてもよく似ており、油断は禁物です。
狩野川台風と2019年台風19号の類似点は?
この投稿をInstagramで見る
先日、気象庁はこの甚大な被害をもたらした「狩野川台風」と「台風19号」がとてもよく似ているため、最大限の注意をするように厳戒注意を促しました。
2019年10月12日に、日本の最も接近するというこの台風19号は狩野川台風とどこが似ているかというと、それは「記録的な大雨」。
【今日中の備えを】大型で非常に強い #台風19号 は、12日夕方から夜にかけて、非常に強い勢力を保ったまま東海地方または関東地方に上陸する見込み。自分の命、大切な人の命を守るために、暴風が吹き始める前に、暗くなる前に、情報を用いて早めの判断を。(続く)https://t.co/lf7LZ35dus pic.twitter.com/NiKUciAdOS
— 気象庁防災情報 (@JMA_bousai) October 11, 2019
2019年10月12日の台風19号の降雨量の予測は以下のようになっています。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#FFB74D” color=”#fff” margin=”0 0 10px 0″]関東甲信地方[/st-minihukidashi]
- 12日:24時間に250ミリ
- 13日:24時間に300~500ミリ
そして、東海地方では・・・
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#FFB74D” color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]東海地方[/st-minihukidashi]
- 12日:24時間に500ミリ
- 13日:24時間に600~800ミリ
となっています。
これは、台風のこの時期に2か月間に降るであろう雨の量とほぼ同じなのだそう。
2か月かけて降る雨の量が、たったの1~2日で降るというのだから、その勢力のすさまじさがよくわかるような気がします。
狩野川台風の被害状況に匹敵?台風19号が直撃した場合の被害予測
この投稿をInstagramで見る
1958年に甚大な被害をもたらした狩野川台風に匹敵する勢力や進路の、台風19号。
もしも、関東地方や東海地方に直撃となった場合には、どのような被害がでてしまうのか、「被害予測」が出ていました。
静岡県沼津市 狩野川の様子🥺#台風19号 #狩野川台風 pic.twitter.com/vsRmw3xcXv
— まゆき (@mayukii_7) October 12, 2019
もしも台風19号が直撃し、最悪の事態が起きてしまった場合には、「死者8000人」、そして「被害総額は115兆円」、東京都の23区の3割は浸水被害にあってしまう可能性もあると、専門家は指摘しています。
これは、2018年6月に土木学会が発表した報告書の中にあったもので、東京湾で巨大高潮が発生した場合の被害想定なのだそう。
今回、台風19号が関東地方に最も接近する時間帯は、ちょうど満潮の時間帯であるとの情報もあり、想定通り「巨大高潮」が発生してしまう可能性も高いとされています。
巨大高潮で起こる浸水の深さは、最大で10メートルとなっており、建物の3階にいても危険な深さ。
江戸川区、墨田区、葛飾区、江東区などに至っては、1週間以上浸水が続く地域もあるというニュースもあり、オフィス街などが浸水した場合には、都市機能が大規模なマヒを起こす可能性があるといいます。
狩野川台風時に氾濫を起こした、「現在の狩野川」も水の量が増し、危険な状態になってきています。
狩野川やばいす#台風#狩野川台風 pic.twitter.com/bthLkBTQCD
— 有馬貴将ゞ (@arima_kisyoz) October 12, 2019
狩野川台風と聞くと、スイッチが入ったかの様に全力で警戒するのが静岡東部民。 pic.twitter.com/W4PKSqeu92
— しぐね (@sigunerion) October 11, 2019
狩野川周辺に住む人だけでなく、東京都にいる人々にも大きな被害を与えた狩野川台風。
今回の台風19号の様子を見て、狩野川台風を思い出す人も。
いま引き合いに出されてる狩野川台風、この台風で二階の屋根まで浸水して、江戸川橋近傍の関口水道町にあった関水金属は、移転を決意したんですわ・・・ pic.twitter.com/uritSrLti7
— 解放迷@地鉄良かったなあオジサン (@gobanyak) October 11, 2019
狩野川台風で一躍有名になった現在の狩野川。まぁ、このくらいは想定範囲内。#狩野川 pic.twitter.com/75Hovf03na
— negata (@negatarail) October 12, 2019
現在もかなり危険な状態にあるようです。
最後に
人的被害も、住宅被害も甚大なものだった狩野川台風。
当時の人々は、台風のあとも復旧するまで大変な思いをされたことでしょう。
2019年10月12日の台風19号の被害が広がらないことを祈るばかりです。