映画『千と千尋の神隠し』のハクの正体は、川の主と言われています。
千尋の兄ではないかとの噂もあるようですね。
今回は、
- 映画『千と千尋の神隠し』のハクの正体や名前は?
- 千尋の兄というのは本当なのか?
- ハクはその後どうなったのか?
など、映画『千と千尋の神隠し』のハクの正体、千尋の兄という噂やその後についてまとめさせていただきました。
ぜひ読み進めてみてください^^
【千と千尋の神隠し】ハクの正体・本当の名前

2001年に公開された映画『千と千尋の神隠し』。
その中でも人気の高いキャラクターといえば、ハクです。
ハクの正体や本当の名前とはどのようなものなのでしょうか?
ハクについて詳しく見ていきましょう。
ハクはコハク川の神『龍神ニギハヤミコハクヌシ』

ハクは龍の姿で、千尋を背中に乗せていた時に、『ニギハヤミコハクヌシ』であることを思い出します。
ニギハヤミコハクヌシとは、コハク川の神なんです。
コハク川というのは、小さい頃に千尋が遊んでいた川のこと。
お互い覚えていなかったものの、2人は湯屋で出会うずっと前から出会っていたんですね。
ニギハヤミコハクヌシにはモデルになったものがある

ハクの正体である『ニギハヤミコハクヌシ』のモデルは、実在する古典神話に登場する神様です。
ニギハヤミコハクヌシは、漢字で書くと『饒速水小白主』となります。
これは、古典神話にある『ニギハヤヒ(饒速日)』という神様と同じ。
モデルがいたのはかなり意外でした。
ハクの基本的なキャラクター設定

ハクの基本的な設定として、年齢は12歳と言われています。
本当の正体が川の主である『ニギハヤミコハクヌシ』ということを考えると、実際にはもっと年齢が上の可能性が高いですね。
絵コンテなどには、
『油屋の従業員は、
と書かれていました。
ハクだけは、本当の名前を書いてしまったため、強い魔法で縛られているのですね。
千尋も故意ではないものの、名前を間違えてしまったため、
【千と千尋の神隠し】ハクの正体は千尋の兄説

映画『千と千尋の神隠し』では、ハクの正体について、
噂は本当なのか、順を追って真相を紐解いていきます。
①:幼かった千尋が川で溺れた際誰かに助けられた

千尋はまだ小さかった頃、コハク川に落ちてしまい誰かに助けられた経験があります。
その誰かというのが、千尋の兄というのです。
作品の中に登場はしていないものの、兄がいる又はいた可能性は少なからずありそうですね。
過去の回想シーンで、川に飛び込んでいく子供の手が描かれているのですが、その腕には服の袖のようなものがうつっています。
普通に見ると千尋が靴を拾っているだけにも見えます。
しかし、回想シーンの千尋は服を着ていませんでした。
当時の千尋はまだ幼かったこともあり、
服を着ていたのは兄で、回想シーンの手は千尋を助けようとした兄のものではないかということです。
ハクは作中で『溺れた千尋を助けた』という設定になっています。
千尋を助けたのが川の神だったハクだとすると『兄が助けたのではない』という事実になります。
この点については、いくつかの考察が語られているのですが、『ハクの正体=兄』という説が成り立つとしたら、以下のようなことが考えられます。
- 兄は溺れた千尋を助けようとしたが、助けられず亡くなってしまった。
- 実際に助けたのは、コハク川の主であった、「ニギハヤミコハクヌシ」。
- 無念に亡くなってしまった兄の姿を借りて、ハクとして千尋の前に現れた。
- つまりハクは、兄の姿をした川の神であり、千尋のことをよく知っている兄でもある。
上記のような考察をする方が多く、『ハクの正体は兄なのではないか』と噂が流れるようになりました。
②:回想シーンで靴を拾おうとしているのは千尋の手ではない

千尋が溺れた頃を描いた回想シーンの中に、『小さな靴が川の中で渦巻いて回っているところに手が伸びてきて、何かを掴むように水の中に手が入っていくシーン』があります。
この手が、『千尋を救おうとした兄が伸ばした手だったのではないか』と言われています。
作中で描かれている手は、確かに少し太くゴツゴツしていて、幼かった千尋の手とは違うように見えます。
もしかしたらその時は本当に兄がいたのかもと思わせる描写です。
③:千尋を助けた後兄は溺れて亡くなった?

その後、『コハク川で溺れた千尋を助けようとした兄は、上手く助けられず溺れて亡くなってしまったのではないか』と言われています。
回想シーンでも、千尋の靴が物悲しそうに川に流されていく描写がありました。
千尋を助けられなかった悲しさ、自分も溺れてしまったという悔しさを表していたのかも知れません。
千尋は、自分に兄がいたという認識はありません。
物語の最初から『一人っ子』のように描かれていますし、本人も『自分は一人っ子である』と認識しているように見えます。
物語の設定上、本当に一人っ子なのかも知れませんが、『ハクの正体=兄』という噂が本当だとしたら、千尋は兄の記憶を消してしまったのではないでしょうか。
自分のせいで兄が亡くなってしまったとしたら、自分の記憶から兄を消してしまうくらいに悲しかった可能性もありそうです。
もちろん、とても幼かったから単純に覚えていないだけなのかも知れませんが、そうだとしても溺れた記憶くらいは残っていたりするかも知れません。
こう考えると、『ハク=兄』説が、少し真実味を帯びてくるような気がします。
④:ハクは小さい時の千尋を知っている

『ハク=兄』説を裏付けるものとして、ハクのセリフも注目を浴びていました。
ハクは千尋に対して、『そなたの小さいときから知っている』と告げています。
本当にハクが兄だと考えると、かなりしっくりくる言葉です。
小さい頃の千尋とずっと暮らしを共にしていたから、千尋の小さい時を知っている。
そして亡くなった後も兄は、どこかから千尋をずっと見守っていたのかも知れませんね。
小さい時の千尋しか知らなければ、このセリフは『そなたの小さい時を知っている』となったはずです。
ハクは本当に兄なのでしょうか。
考えれば考えるほど、兄と思えてくる不思議があります。
⑤:千尋の母親が冷たいのは兄の事故が関係してる?

もう1つ、『ハク=兄説』を裏付けるものがあります。
それは、千尋の母親の態度。
千尋の母親は、千尋がくっつこうとしても、「あまりくっつかないで」と拒否したり、父親とは仲良く会話しているのに、千尋と話すときは目を一切見ていなかったりなど、千尋に冷たい印象を受けます。
もちろんはじめから『そのような性格』という可能性もありえますが、母親が千尋にどこか冷たい印象を受けるのは、理由があるからだと考える人もいました。
それが、『兄が千尋のために亡くなってしまったからではないか』とのことです。
自分の息子が娘の起こしたことが原因で亡くなってしまったら・・・・。
頭では仕方のなかったことと割り切ろうとしても、心の奥底では割り切れず、さまざまな葛藤に苛まれてしまうかも知れません。
息子も娘もどちらも大切な存在であることには変わりない。
だけど、片方は当時の事故を忘れて元気に暮らしており、片方は亡くなってしまった。
娘のことを思ったら、過去の悲しい出来事は思い出さない方が良いけれど、何事もなかったかのように暮らしている娘を見ると、どこか無意識下でいたたまれない想いになる。
そういったやりきれない想いが、無意識に千尋を遠ざけている原因になっているのではないか、ということですね。
兄に関するこれまでの考察が、実は『語られない本当の裏設定』であるとしたら、可能性はある気がします。
事故だとわかっていても、無意識下では千尋に対して許せない思いがあったのかもしれませんね。

あの時、千尋が川に入らなければ・・・とか、いろいろ考えてしまうのかも・・・涙
⑥:千尋が迷い込んだ世界は黄泉の国を表していた?


そして、もう1つ。
千尋が迷い込んだ世界は『黄泉の国を表している』という噂。
千尋が初めに通ったトンネルも『黄泉の道』と言われています。
最後にハクが決して振り返っては行けないと語ったのも、再度黄泉の国に戻らないように言ったのかもしれません。
千と千尋の神隠しで登場する不思議な街や湯屋には、たくさんの神々やこの世のものではない存在が暮らしていました。
黄泉の国であれば、神々がたくさんいるのも、不思議な物が存在するのも納得がいきます。
ハクと出会ったのは、本来ならば死後にいく黄泉の国。
千尋を助けようと溺れて亡くなってしまった兄がいてもおかしくありません。
千と千尋の神隠しで描かれている世界が本当に黄泉の国だった場合、『ハクは亡くなった千尋の兄』という説もさらに濃厚になる気がします。
⑦:幻の主題歌の歌詞は兄とのエピソードを表している?


最後に、ハクが兄なのではないか、兄は千尋を助けようとして亡くなってしまったのではないかという噂を決定づけるものとして語られているのが、幻のテーマ曲。
宮崎駿監督が主題歌として作詞した曲で、『あの日の川で』というものがありました。
実際には、テーマ曲としては公表されませんでしたが、歌詞などは公開されています。
この幻のテーマ曲が、兄とのエピソードを表していると言われているのです。
『誰かのために生きている私
私のために生きててくれた誰か
私はあの日 川に行ったのだ
私はあなたの 川に行ったのだ』
『誰かのために生きている私』は千尋のことで、『私のために生きててくれた誰か』とは兄の気持ちを表しているのではないかと言われています。
命を助けられた妹と、妹を助けようとして亡くなってしまった兄。
千尋は助けてくれた兄の分も生き、兄は生きられなかった分、千尋に何倍もの幸せな人生を歩んでほしいと思っている。
兄妹それぞれの思いがこの歌詞に込められているのかもと、考えられる歌詞です。
「ハク=兄説」について、作中に散りばめられたヒントから真相を追いかけてみましたが、あながち嘘ではないのかもと思うような要素がたくさんありました。
公には語られないけれど、実は背景にこんな物語が秘められていた・・・、ということはあるのかも知れません。
見る人に、さまざまなものを考えさせる深みのある作品なのだと思います。
【千と千尋の神隠し】ハクはその後どうなった?描かれていない最後を考察


千と千尋の神隠しのラストは、千尋が湯婆婆との戦いに勝ち、ハクにも別れを告げるという物語となっていました。
ハクは千尋がいなくなったその後、どうなったのでしょうか?
物語では描かれていない、「ハクのその後」についてさまざまな考察が飛び交っていました。
ハクのその後①:湯婆婆に八つ裂きにされた


ハクのその後について、
これは、ハクが千尋をもとの世界に戻すために湯婆婆に交換条件を願い出た時に、湯婆婆から、『八つ裂きにされてもいいのか』と脅されていたことが元になっています。
ハクはこの時、何も言わずに湯婆婆を見つめていました。
これについて、千と千尋の神隠しの当時の公式サイトでは、
『「すべてのことはルールに従わなければならない」
と、書かれていました。
本当にハクが湯婆婆に八つ裂きにされていたとしたら、
ハクのその後②:自由になり川の神に戻った


ハクのその後について、
ハクは物語の終盤に自分の名前を取り戻して、湯婆婆の呪いから解き放たれています。
その事から『八つ裂きにするという約束は無効となったのでは』という憶測が成り立ちます。
ハクは千尋と別れる際に、
『私は湯婆婆と話をつけて弟子をやめる。平気さ、
と話していました。
名前を取り戻したハクは自由になり、川の神に戻ったという考えの方が、しっくりくる気がします。
【千と千尋の神隠し】ハクの都市伝説・裏設定|知れば正体がもっと見える


映画『千と千尋の神隠し』では、ハクについて都市伝説や裏設定が囁かれています。
どのようなものがあるのか、いくつかご紹介します。
ハクの都市伝説①:油屋で湯婆婆の弟子になった理由


釜爺はハクについて、
『千と同じように突然ここにやってきてな。
と語っていました。
その事から、『魔法使いになるために油屋に来た』ことがわかります。
魔法使いになりたかった理由は明かされていないものの、『マンション建設で埋め立てられてしまったコハク川を復活させるため』や、『神様としての力を取り戻すため』という話がありました。
当初のハクは、何かしらの理由で魔法使いになりたいと思っていたにも関わらず、湯婆婆からいいように使われてしまう日々を過ごす結果となってしまったようですね。
ハクの都市伝説②:男娼を表しているという話


ハクの正体は、ニギハヤミコハクヌシで、川の神様ということから、100歳は超えていると考えられます。
それなのになぜ、ハクは12歳の少年の姿となっていたのでしょうか?
その理由として語られているのが、作中でのハクは男娼を表しているからだをという話。
宮崎駿監督はインタビューで、以下のようなことを語っていました。
『いまの世界として描くには何がいちばんふさわしいかと言えば、それは風俗営業だと思うんですよ。』
宮崎駿監督が千と千尋の神隠しを作る際、風俗営業を参考に作品を作ったとしたら、油屋は風俗店のオマージュだということになります。
油屋で働くものは風俗店で働く者。
12歳位の少年であるハクは男娼を意味している。
宮崎駿監督が語ったように、風俗営業の世界が関係しているとしたら、この都市伝説もあながち嘘というわけではないのかも知れません。
ちなみに風俗の世界で、男娼の中で一番客に好まれていたのは『10代の少年』なのだそう。
油屋の経営を一番に考える湯婆婆が、客が一番集まりそうな美少年のハクを、自分のすぐ手元に置き、油屋から離れられないようにしたのも、経営を安定させるためなのでは?・・・いうような想像も浮かびます。
ハクの都市伝説②:千尋とは恋愛関係にあった?


千尋とハクは恋愛関係にあったという都市伝説もあります。
千尋は10歳でハクは12歳ということもあり、少なからず恋愛感情があった可能性はあります。
しかし、ハクは千尋の兄ではないかという話もありましたね。
その事を考えると、恋愛感情ではなく家族のような愛情が2人の中に生まれていたのかもしれません。
ハクのために沼の底に行くという千尋について、釜爺は、
『わからんか、愛だ愛』
と語っていました。
これが、恋愛感情なのか家族のような愛なのかはわかりませんが、ふたりの間に愛があったことは間違いなさそうです。
ハクの都市伝説③:もののけ姫・アシタカの祖先という話


ハクについて、ジブリ映画『もののけ姫』のアシタカの祖先ではないかと言う都市伝説もあります。
アシタカのモデルとなった人物は、『アシタカヒコ』という方で、ナガスネヒコと呼ばれる豪族の子孫にあたります。
『ナガスネヒコの子孫』は、朝廷との戦いに敗れたのち、東に移住してきた末裔だと言われています。
もののけ姫でのアシタカも『東の国』に住む一族の一員として描かれていましたね。
ハクは、ニギハヤヒという龍神がモデルとなっていました。
このニギハヤヒというのが、ナガスネヒコの祖先にあたる神とされているんです。
分かりやすく書くと以下のようになります。
【ナガスネヒコ】
祖先・ニギハヤヒ(ハクのモデル)>> 子孫・アシタカヒコ(アシタカのモデル)
2人のモデルには血縁関係があったんですね。
ジブリ側はこの事について発言はされていませんが、ハクは、アシタカの祖先という可能性もありえそうですね。
【千と千尋の神隠し】ハクの声優を務める人『入野自由(いりのみゆ)』


映画『千と千尋の神隠し』で人気が高いハク。
ハクの声優を務めているのは、入野自由さんという方です。
どのような方なのか、ハクの声優さんについてもご紹介します。
ハクの声優を務めるのは入野自由


- 名前:入野自由
- 生年月日:1988年2月19日
- 出身地:東京都
透明感のあるイケメンな方ですね。
ハクの声優を務めていたのは、入野自由さんが13歳の頃でした。
入野自由という名前は芸名かと思いきや・・・こちらは本名のようですね。
一度聴いたら忘れられないインパクトのある名前です。
名付けの際、入野自由さんの父親は『自由貴(みゆき)』と付けようと考えていたんだとか。
その後、『自由(みゆ)』と決定したそうです。
自由でみゆと読むなんておしゃれですね。
2021年9月3日には、
ハクの声優・入野自由の作品・代表作


入野自由さんは、様々な作品で声優を務めていました。
- アイシールド21:小早川瀬那
- あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない:宿海仁太
- 男子高校生の日常:タダクニ
- ちはやふる:筑波秋博
- ハイキュー!!:菅原孝支
- 映画『言の葉の庭』:秋月孝雄
- 映画『聲の形』:石田将也
- キングダムハーツ:ソラ・ヴァニタス
これ以外にも多くの作品で声優をされていましたが、かなりの数の有名作品で声優を務められていることに驚きました。
ハクの声はもう2度と聴けないという話


入野自由さんは、『ハクを演じた入野自由』
その理由は、『もうハクの声が出すことが出来ないから』なのだそう。
ハクの声優を務めていたのは、13歳の頃と声変わり前。
その後、声変わりをしたことで、ハクの声が出なくなってしまったといいます。
入野自由さんの声の聴き比べの動画もありました。
たしかに声の感じはかなり変わった気がします。
しかし、声変わり後の入野自由の声もかなり人気を集めているようでした。
まとめ
映画『千と千尋の神隠し』のハクの正体や、都市伝説などについてまとめました。
ハクの正体は、コハク川の主である『ニギハヤミコハクヌシ』。
マンション建設でコハク川が埋め立てられてしまったことから、帰る場所がなくなってしまい、油屋に来たようです。
また、ハクは溺れた千尋を助けようとして亡くなってしまった『兄』ではないかとの話もありました。
公式からの発表がないため、本当かどうかはわかりませんが、物語に散りばめられているさまざまな要素を考慮すると、『ハク=兄説』もあながち嘘ではないような気もしました。
物語に描かれない、『その後のハク』については、湯婆婆に八つ裂きにされてしまったのではという話や、自由になって川の主に戻ったという話がありました。
すでに一度『千と千尋の神隠し』を見たことがある方も、もう一度さまざまな視点で見直してみると新たな発見があってさらに楽しめそうです。









