『千と千尋の神隠し』に登場する『坊』は病気ではないかという話があります。
ハンセン病が関係しているとの噂もあるようです。
坊が病気かどうかは公式の発表もなく、定かではありませんが、宮崎駿監督のハンセン病への想いがこれまでの作品には込められているとの話もあります。
坊は本当に病気という設定なのか、さまざまな話から考察を深めて行きたいと思います。

ぜひ読み進めてみてください^^
【千と千尋の神隠し】坊が病気という噂は本当?【考察】


映画『千と千尋の神隠し』に登場する『坊』。
赤い前掛けをしている体の大きな赤ちゃんで、外に出ることなく、ずっと部屋の中で育てられています。
坊が病気なのではないかと言う噂がありますが、その話は本当なのでしょうか。
坊が病気であると思わせる背景があります。
坊は、外の世界からやってきた千尋に以下のような発言をしています。
『おんもには悪いバイ菌しかいないんだぞ』
『おんもは体に悪いんだぞ』
まるで、外に出ると病気になるような、体が悪化してしまうような発言です。
冒頭でも触れた通り、湯婆婆は坊を外には出さず、ずっと部屋の中で過ごさせています。
この状況から、坊は何かしらの病気にかかっていいるのではないかという話が強まったようです。
外の世界はバイ菌だらけ、外の世界は体に悪いと、坊に思い込ませたのは湯婆婆です。
湯婆婆が坊を外の世界に出したくなかったのは、病気から守るためなのか、それとも別の理由があったのか・・・、考えるほど疑問が湧いてきます。
【千と千尋の神隠し】坊の病気説にみんなはどう感じてる?


坊の病気説について、SNSではどのような意見があるのでしょうか?
みんなの意見も見てみました。
コロナの影響で暇だから千と千尋の神隠しを見たんすよ。
「お外は悪い病気がいっぱいだからここにいるの。」という坊に対し千が「こんなとこにいる方が病気なっちゃうよ!」と言うシーンがあった(知ってた)
改めてこのシーンをコロナが流行ってる時期に見ると、「湯婆婆は正しかった」と思ってしまった pic.twitter.com/PEy0mer74b— ミニイカ (@miniika_W2) March 30, 2020
千と千尋の神隠しの坊
『おんもにいくと病気になるからここにいるんだ。』
こんな日本人ばかりになりましたね。— 西宮北口 (@88machin88) February 4, 2022
おんもにいくと病気になるって千と千尋で坊が言ってたけどコロナ禍によって相対的に湯婆婆がまともな親っぽくなるのウケるな
— ほめる☺︎ 🐣1y10m (@_megechau_) March 18, 2021
千と千尋観てて、おんもに行ったら病気になるから会社行きたくないなあって思ったら、いまは全然おんも(会社)に行ってなくて病気(コロナ)になっていない。このご時世、坊の言うことは正しい#金曜ロードショー #千と千尋の神隠し #コロナ
— ちゃっぴー (@eftPkfGipGOzXR2) January 7, 2022
千と千尋の神隠しにて
坊。
「おまえ病気うつしにきたんだな。」 「おんもにはわるいばいきんしかいないんだぞ。」 「おんもは体にわるいんだぞ。ここにいて坊とおあそびしろ。」 「おんもにいくと病気になるからここにいるんだ。」
まるでコロナこわい人のセリフのようだ☺️ pic.twitter.com/AbELVGr11e— びすけっと (@biscuit_2222) January 8, 2022
坊の「おんもは体に悪いんだぞ」というセリフについて、現代を表しているように思っている方が多かったのが、印象的でした。
湯婆婆の対応も映画公開当初は洗脳のようだと言われていましたが、現在ではまともな対応に思えるご時世となってしまったようです。
坊が語っていたセリフも、すでに何らかの病気だからというわけではなく、外に出て病気にならないための発言だったのですね。
【千と千尋の神隠し】坊のモデルになったのは?病気が何か関係してる?


『千と千尋の神隠し』に登場する、坊のモデルとしたものはあるのでしょうか。
ネット上で語られている情報を見てみると、以下のような考察が主流でした。
- ハンセン病を差別する人の象徴
- 過保護に育った子供の象徴
宮崎駿監督はハンセン病の患者さんについて、特別な思い入れがあると言われています。
また、千と千尋の神隠しは、現代の世の中を象徴するような作品に作られているとの話もあります。
坊というキャラクターはなぜ作られたのか、坊というキャラクターが意味するものを探ってみました。
①ハンセン病を差別する人の象徴という噂


坊は、ハンセン病を差別する人の象徴との噂があります。
そのように言われる背景には、宮崎駿監督のハンセン病への想いがあるようです。
宮崎駿監督は過去に、『多磨全生園』というハンセン病の療養所を訪問したり、ハンセン病に苦しんでいた方が作った『ハンセン病資料館』を訪ねたことがあります。
ハンセン病の方の想いや現実を知った宮崎駿監督は、ハンセン病を取り巻く環境に特別な想いを抱くようになったと言います。
宮崎駿監督はそれ以降、作品にハンセン病患者を思わせる描写やセリフを取り入れるようになったと言う話もあります。
千と千尋の神隠しでは、先ほども出てきた坊のセリフ。
坊は千尋に対して、『お前、病気移しに来たんだな。おんもには悪いバイキンしかいないんだぞ』と語っています。
このセリフから分かるのは、『外はバイ菌だらけ』という坊の思い込み。
これが、ハンセン病患者さんを差別する人の考え方を表しているというのです。
ハンセン病は治療法があり、治療さえすればハンセン病が他人に移ることはありません。
しかし、『治療してもハンセン病はうつる』と考える人もいて、ハンセン病の人を差別する人もいました。
坊にこのようなインパクトのあるセリフを語らせることで、ハンセン病患者さんへの間違った思い込みに気付かせ、差別を少しでも減らしたいと願ったのかも知れません。
もう1つ、ハンセン病を思わせる有名な作品として挙げられているのが『もののけ姫』。


全身を包帯巻きした人々が登場します。
まさしく彼らこそがハンセン病患者を象徴として描かれたものだと言う話があるのです。
『もののけ姫』では、ハンセン病患者と思われる人達も、差別されず仕事を与えられていました。
坊のキャラ設定やセリフからも感じられるように、宮崎駿監督には、ハンセン病患者を差別して欲しくないとの想いがあるのかもしれませんね。
ちなみに、千と千尋の神隠しで『名前を取られてしまう』といった設定は、ハンセン病患者の現状そのものだそうで、物語の設定もハンセン病の方から得たのかもしれません。
②過保護に育った子供の象徴という噂


もう1つ、坊のモデルになったものと語られているのが、『甘やかされ、わがままに育った子ども』。
坊は、『過保護に育った子供の象徴』だと言う話です。
坊は湯婆婆から甘やかされていて、外の世界に出して貰えず、
その結果、坊はわがままなだけでなく、人との関わり方や距離感もわからない、思い通りにならないものは力でねじ伏せようとする子供になってしまいました。
過保護にし過ぎることで、『どんどん好き放題になり凶暴になってしまうのだ』というメッセージを、坊というキャラクターで伝えたかったのかも知れません。
まとめ
映画『千と千尋の神隠し』の坊は、なぜ作られたのか。
坊というキャラクターが意味するものについての考察をまとめさせていただきました。
坊は何らかの病気なのではないかという噂がありましたが、物語の結末で自由に外に出られるようになった坊を見ていると、病気をしていたと言う可能性は低いように感じました。
坊というキャラクターが作られるにあたっては、『ハンセン病患者を差別する人の象徴である』と言う話や、『過保護にされわがままに育った子どもの象徴である』と言う話がありました。
どちらの説も納得する部分があるため、宮崎駿監督は、坊からその2つを感じられるようなキャラクターを作り上げたのかも知れませんね。
千と千尋に登場するその他のキャラクターについても、何か意味やメッセージが込められているという視点で改めて作品を見てみるのも面白いのではないでしょうか。









