東野圭吾さんの小説『ある閉ざされた雪の山荘で』。
2024年1月12日に公開される映画の原作ともなった作品です。
東野圭吾さんの『ある閉ざされた雪の山荘で』のあらすじをご紹介していきます。

結末のネタバレは、見る見ないを選べるから安心してね。
これから小説を読む方、映画を見にいく予定の方も、事前の予習にぜひ、ご一読ください。
映画『ある閉ざされた雪の山荘で』原作小説のあらすじとネタバレ結末ラスト


映画『ある閉ざされた雪の山荘で』の原作である、東野圭吾さんの同名小説。
物語の構成・本の目次は以下のようになっています。
- 第一日目・・・登場人物とその背景を掴む
- 第二日目・・・第1の事件が発覚
- 第三日目・・・第2の事件が発覚
- 第四日目・・・第3の事件/真相が分かる
小説『ある閉ざされた雪の山荘で』物語のあらまし
『ある閉ざされた雪の山荘で』は、早春の乗鞍高原が舞台となっています。
登場人物は、物語の展開の中心となる男女7名(男性4人・女性3人)と、冒頭だけに登場する山荘のオーナー、7人の話の中にだけ登場する劇団主宰の演出家、そして元劇団員の女性の3人の計10人です。
乗鞍高原の山荘に集められた7人は、劇団員。
「豪雪に襲われ孤立した山荘で殺人事件に見舞われる」という設定の舞台稽古を、リアリティの感じられる山荘で行うとして集められたところから、物語はスタートします。
小説『ある閉ざされた雪の山荘で』登場人物を確認


『ある閉ざされた雪の山荘で』のあらすじに進む前に、登場人物を簡単に解説します。



登場人物を抑えておけば、ストーリーもスイスイ入ってくるよ。
- 久我和幸(くがかずゆき)
…物語の視点となる人物。劇団「水滸」の特別オーディションを受け、今回初めて外部から参加。クールで論理的。推理小説好きな二枚目俳優。 - 元村由梨江(もとむらゆりえ)
…劇団「水滸」の団員。容姿端麗で異性からもモテるが、演技力はさほど高くない。
父は経営者で権力者。お嬢様として育ち品がある。 - 笠原温子(かさはらあつこ)
…劇団「水滸」の団員。劇団の中でもリーダー格となる人物。演技力もあり、しっかり者。主宰の東郷陣平と男女の関係があるのではという噂がある。 - 雨宮京介(あまみやきょうすけ)
…劇団「水滸」の団員。笠原同様、劇団の中ではリーダー格となる人物。水滸の中でも所属歴が長く、主宰・東郷からの信頼も厚い。
劇団内からたった1人、ロンドンの演劇学校へ留学できる人物として選出されていた。 - 本田雄一(ほんだゆういち)
…劇団「水滸」の団員。言動がやや荒く誤解を受けやすいが、内面は温厚で人思い。
演技力も高く実力はあるが、役者としての華がないことが欠点となっている。 - 田所義雄(たどころよしお)
…劇団「水滸」の団員。ガタイのいい体付きだが、感情的になりやすく、深く考えずに行動してしまう面がある。他人を疑ってみる面があり、相手を信用するまでに時間がかかる。 - 中西貴子(なかにしたかこ)
…劇団「水滸」の団員。女性らしい色気があり、明るく奔放な性格。演技力もあり個性は女優として活躍している。
口が軽くおしゃべりで、心に思っていることも顔に出してしまうところがある。 - 小田伸一(おだしんいち)
…山荘のオーナー。物語の冒頭で、山荘の使い方を若者に伝えたあと、10分ほど離れた自宅に帰宅。 - 東郷陣平(とうごうじんぺい)
…劇団「水滸」の主宰であり、演出家。
一風変わった演出や稽古を行うことで知られており、人気劇団にまで引き上げたが、最近はスランプか落ち目との噂がある。
周囲の意見にはあまり耳を貸さず、独裁的。 - 麻倉雅美(あさくらまさみ)
…劇団「水滸」の元団員。演技の実力はかなりのものだが、容姿がイマイチで華がないことが足を引っ張っている。
東郷の企画した新しいオーディションを受けたが、落選。
結果にショックを受け劇団を辞め、地元の飛騨高山に帰郷してしまっていた。
噂によるとその後不慮の事故に遭い、障害を抱えてしまっているとの話がある。
映画版『ある閉ざされた雪の山荘で』に出演するキャストとその役所、登場人物の相関図は、以下の記事でまとめています。
▶︎映画『ある閉ざされた雪の山荘で』キャストと出演者の役柄|登場人物の相関図


小説『ある閉ざされた雪の山荘で』あらすじ:第1日目


乗鞍高原にある、ペンション四季。
オーナーの小田伸一は、来客前の最後のチェックをしていた。
支度がちょうど整った頃、ぞろぞろと客がやってきた。
男性4人女性3人、計7名のグループ客だ。
彼らは劇団「水滸」のメンバー。
主宰の東郷陣平の指示で、この山荘で舞台稽古を行うよう集められたのだった。
しかし訪れた7人は、これから何が始まるのか、どういう状況なのかも理解していない。
食事や風呂の支度は自分達で行うこと。
東郷からの依頼でペンションを貸切にしたため、客は自分たちのみで、東郷もこないこと。
簡単な状況説明と施設内の案内を済ますと、オーナーの小田は帰宅してしまった。
思いもよらぬ話に戸惑う団員達。
状況が全くわからないままだが、とりあえず各々が使用する部屋や食事当番を決めようと動き出した。
その中でたった1人、ラウンジから動かず壁の本棚を見つめる人物がいた。
今回のオーディションで唯一外部から参加した、久我和幸だった。
笠原温子は久我に「何をしているの?」と声をかけると、「本棚を見ているんです。」との返答が返ってきた。
不思議に思った笠原は久我に近づき、本棚の様子について尋ねた。
そこには、古典的な推理小説が5種類、7冊ずつ並べられていたのだった。
これは、「7人全員が、この本を読め」との指示に違いない。
久我と笠原は、荷物を置いて戻ってきたメンバー達にも、不思議な様子で取り揃えられた本の話をしたのだった。
それぞれ5冊の本を手に取り、東郷の謎めいた稽古の仕方について、半ば呆れながら話はじめた時、東郷からの郵便物が届く。
速達で届いた手紙には、以下のようなことが書いてあった。
- これは舞台稽古であること。
- 今後演じる推理劇の細部を、リアルな舞台稽古を通じ、演者自らが作るために集められた。
- 稽古中の3泊4日の間、外部との接触は禁止。
- 外部との連絡をとった時点でこの試験は中止、オーディションの合格も取り消しとなる。
さらに、この舞台稽古の細やかな設定が書かれていた。
- この山荘は人里から遠く離れた山荘である。
- 訪れた7人は若き役者。
- 山荘へ訪れた理由は決定していない。
- 記録的な大雪に見舞われ、外に出ることができず、山荘に孤立している。
- 電話線は切れ、街へ買い物へ行ったオーナーも戻らず、救助は一切こない。
この条件の下「今後起きる出来事に対処するように」との内容だった。
驚きと戸惑いを見せる団員達。
しかし、役者としての将来がかかった大事なオーディションであっただけに、なんとしてもこの稽古をやり遂げなくてはならないと腹を括るしかなかった。
食事ができるまでの間、ラウンジに集まったメンバーは、ラウンジで見つけた本について語っていた。
ラウンジに取り揃えられた本はどれも、「登場人物がひとりひとり殺されていく話」だったのだ。
ちょうどその頃、夕食の支度が整った。
食事を終えたメンバーは、片付けるもの、風呂に入るもの、くつろぐものと、思い思いに過ごした。
推理劇の稽古であるのだから、これから殺人事件が起きるのかもしれない。
でもどうやってーー?
これから起こることに対する不安が、それぞれの頭の中をかすめていた。
ラウンジに集まったメンバーは、先日行われたオーディションについて話していた。
その時、久我和幸はオーディションの時からずっと思っていた1つの疑問を口にした。
演技力がかなり高い女性がいたはずなのだが、その女性はなぜ選ばれなかったのか?ということだった。
その女性の名前は「麻倉雅美」というらしい。
団員達の話によると、「演技力はあるものの、オーディションは審査員達の印象や運の要素も強いものだから、その点で劣ってしまったのではないか」とのことだった。
麻倉雅美の話が話題にのぼったとき、団員達の一部からは、一瞬狼狽したような印象を受けた。
どことなくスッキリしないものを残したまま、久我和幸は自室のある2階へとあがって行った。
夜も更けた頃、1人風呂に入った久我和幸は、廊下の突き当たりにある遊戯室からかすかにピアノの音が漏れていることに気がついた。
足を運んでみると中にいたのは、中西貴子と笠原温子の2人だった。
久我和幸は、心の中で密かに気にかけている元村由梨江がいなかったため、この場にいる必要性を感じず、中西や笠原と少し会話をしたあと、場を後にした。
それぞれが自室で休み始めた頃、1つ目の事件が起きたのだったーー。
小説『ある閉ざされた雪の山荘で』あらすじ:第2日目


早朝7時のラウンジ。皆が続々と起きてくる。
しかし笠原温子の姿だけは、いつになっても見えなかった。
様子を見に行った中に行った中西貴子が、驚き慌てふためいて戻ってくる。
「大変よ。温子が消えちゃった!」
中西貴子は1枚の紙を手にしており、そこには以下のように書かれていた。
設定の第二。
笠原温子の死体について。
死体はピアノのそばに倒れていた。(以下、割愛)
しかし、実際の死体は見当たらなかった。
6人は、推理劇の舞台稽古が着実に進められていることを実感した。
これからどんな展開が待っているのか、内部に筋書きを知っている者がいるのではないか。
さまざまな憶測や議論が飛び交った。
互いに仲間を疑いながらも、外部の人間の犯行かもしれないと、建物の周囲を確認することとなった。
2人1組になり、決められた辺りを見回った。
久我和幸は中西貴子とペアになった。
建物の外を点検中、まだ真新しい卓球台が壁に立てかけてあることが気になったが、その理由は分からなかった。
中西貴子と「なぜ笠原温子が最初に殺されたのか」という点について話している中で、団員達に関する噂話なども耳にする。
・笠原温子は主宰の東郷と男女の関係にあるという噂があること
・オーディションに落ちた麻倉雅美は、その後事故に遭い半身不随の状態となっていること
中へ戻ると、戻ったメンバーはそれぞれに紙を手にしていた。
いずれにも「足跡はなし。」といった内容が書かれていた。
状況から判断すると、犯人はどうやらメンバーの中にいるらしいことになる。
犯人は、筋書きを知っている指示役は誰なのか?
夕食のあと、久我和幸は田所義雄ともう一度犯行現場を見に行くことにした。
遊戯室に入ると、ヘッドホンのコードが抜けていることに違和感を覚えた。
遊戯室で久我和幸と田所義雄は、以下のような話をする。
- 元村由梨江と雨宮京介の関係のこと
- 麻倉雅美についての話
- 元村由理恵がロンドンに行ってみたいと言っていること
遊戯室では特に大きな収穫が得られないまま、ラウンジに戻ることとなった。
ラウンジでは数名が、今回の事件についての推理をしていた。
動機は一体何なのか。
しかし、いくら考えても山荘の内部にいる人間を軸に話をまとめようとするのには、限界があった。
結論は出ないまま、一旦収束となる。
その夜、田所義雄は元村由梨江の部屋を訪れた。
これまでの話から想像が膨らみ、思いを確認せずにはいいられなくなってしまったからだった。
時同じ頃、久我和幸は遅い入浴へと向かった。
風呂には本田雄一がいた。
久我和幸は、今晩犯人に襲われないため、そしてアリバイ証明のため、相部屋にしないかと本田に提案した。
お互いにこの行動の証人を立てることを条件に、本田は提案を飲んだ。
久我和幸は、たまたま廊下ですれ違った元村由梨江に、相部屋で寝ることの証人を頼んだのだった。
本田の部屋で横になっていた久我和幸は、あまり寝付けなかった。
0時になる5分前、手元のランプをつけようとしたが、いくら紐を引いてもつかなかった。
ちょうどその頃、元村由梨江の部屋を尋ねる者の姿があったーー。
小説『ある閉ざされた雪の山荘で』あらすじ:第3日目


朝早く、本田雄一に起こされた久我和幸は、皆に気づかれないように部屋を出るように促された。
まだこのアリバイ作りについて、知られるときではないという理由からだった。
8時過ぎ、順にメンバー達が起き出してきた。
徐々に集まるメンバーの顔を見てホッとしたのも束の間、元村由梨江の姿だけが見えないことに気がついた。
元村由梨江の部屋へ行くと、笠原温子の時と同様に紙があり、死体はなかった。
設定の第三。
元村由梨江の死体について。
死体はこの紙の落ちていた場所に倒れていた。(以下、割愛)
驚き恐怖に震える者、怒りを露わにする者、淡々とその状況を見つめる者、メンバーたちはそれぞれに反応を示した。
犯人となるものは誰なのか、答えを見つけようと推測が飛び交う。
その頃、外を見回っていた本田雄一が慌てたように戻ってきた。
手には「血のついた花瓶」を持っていた。
これは一体どういうことなのか。
この血は誰のものなのか。
皆に恐怖が走る。
もう一度現場を見に行った田所義雄と本田雄一が、顔面をこわばらせて戻ってきた。
手には「この紙を鈍器とする」と書かれた紙切れを持っていた。
凶器となるものが重複してしまうという不可解な出来事に見舞われたメンバー達。
この事件は、もしかしたら本物の殺人事件なのではないか。
あまりの気味悪さに、段々と冷静さを失って行くのであった。
もし本当の殺人事件なら、死体がどこかに隠してあるはず。
メンバー達は、建物の横にあった井戸を見に行ったが、中がよく見えなかった。
その時、笠原温子の着ていたセーターと同じ色の糸くずが、井戸の蓋に引っかかっているのを発見した。
本物の殺人犯が潜んでいるのか?犯人は全員を殺すのか?
恐怖から、内心でお互いを疑い始める一同。
もはや舞台稽古ということはすっかり忘れてしまうほどの恐怖に襲われていたのだった。
その間も、久我は推理を続けていた。
あとたった1日、4日目の朝が来れば、舞台稽古は終了し全てがわかるはず。
これ以上の犠牲者を出さないため、その夜は全員ラウンジで眠ることとした。
小説『ある閉ざされた雪の山荘で』あらすじ:第4日目


最終日の朝、6時半。
誰も殺されずに、皆ラウンジで目を覚ました。
安堵し、軽い朝食をとる。
山荘を出て行く時間は、チェックアウト時間の10時に決めた。
軽い朝食を取ったあと、強烈な眠気に襲われたメンバー達。
自分の意思ではどうにもならないほどの眠気に、次々に眠りについてしまうのだった。
突然ステレオのスイッチが入り、流れ始めたハードロックに目を覚ます。
起きると、雨宮京介の姿が見えなくなっており、代わりに紙が置いてあった。
死体の状況。
雨宮京介は首を絞めて殺されている。
あと少しのところだったのに、3番目の犠牲者が出てしまった。
残されたのは、本田雄一、田所義雄、中西貴子、久我和幸の4人だった。
小説『ある閉ざされた雪の山荘で』ネタバレの結末ラスト
物語はいよいよ佳境へ。
以下は、ネタバレを含んだ物語の結末です。
ネタバレを知りたくない方は、開かずににいてくださいね☺︎
クリックで開きます☺︎



ギリギリの結末はどうだった?
ぜひ、その目で真実を確かめてみてね。
映画『ある閉ざされた雪の山荘で』の原作小説をいますぐ読む
映画『ある閉ざされた雪の山荘で』の原作となった、東野圭吾さんの同名小説。
■書籍情報
- タイトル:ある閉ざされた雪の山荘で
- 著者:東野圭吾(ひがしの けいご)
- 出版元:講談社
- 出版日:1992年3月2日
- 価格:文庫本693円(税込)
今すぐ読み始めたい方は、以下の場所から購入可能です。
また、途中までですが「試し読み」もできるので、どんな物語かその面白さをぜひ体感してみてください。
東野圭吾さんの『ある閉ざされた雪の山荘で』は、電子書籍化されておりません。
なのでこの作品を読みたい場合は、紙の単行本、または文庫本での入手となります。



少し待つけど紙書籍もいいよね!
配送は、Amazonが1番早いよ。
まとめ
2024年1月12日に公開の映画『ある閉ざされた雪の山荘で』。
原作となった小説は、東野圭吾さんの同名小説でした。
「読み始めた当初に思った答えと、全く違う答えに辿り着いた。」
物語の結末で本当の真実を知った時に感じた、素直な感想です。
始めは、推理を繰り広げる久我和幸視点の物語だと思っていました。
実は、結末で真相を知った後も「久我視点で語られている物語だよね」と頭の片隅で思っていたのですが…。
あらすじを書くにあたって、何度も何度も読み返しているうちに、東野圭吾さんが読者に仕掛けた大きなトリックに、もう1つ気付き、驚嘆したのです(笑)
この物語をずっと語っていたのは、もしかして…。
そしてこの本を出版したのは、もしかして…。
深い。深くて、びっくりしました(笑)
それと同時に、絶望の淵に立たされた人間が、今は希望を持って生きれていることを知り、嬉しさを感じながらも鳥肌が立ったのでした。
本一冊でそんなことまで伝えてくるなんて・・・と、東野圭吾さんの才に驚かされます。
東野圭吾さんが本作で仕掛けたたくさんの謎を、ぜひとも体感してみてください。
東野圭吾作品の虜になってしまうはずです。
\読んで初めて分かる驚きの結末/
▶︎映画『ある閉ざされた雪の山荘で』キャストと出演者の役柄|登場人物の相関図


▶︎映画『ある閉ざされた雪の山荘で』原作は同名小説【解説】今すぐ読める所|あらすじ|原作者|感想評価


▶︎東野圭吾とはどんな人?経歴|作品・代表作|新作・新刊|趣味嗜好|家族【まとめ】

