宮崎駿監督が10年ぶり制作した長編映画作品となった、映画『君たちはどう生きるか』。
この長編映画に、深い関わりを持つ作品があります。
それは、吉野源三郎氏の書いた小説『君たちはどう生きるか』です。
映画『君たちはどう生きるか』の名前は、小説のタイトルから取られています。
映画『君はどう生きるか』と同名のこの小説は、どのような関わりがあるのか、どんな物語なのか、吉野源三郎氏の小説について追いかけてみました。

映画のストーリーにどんな影響をもたらした作品か見てみよう。
映画『君たちはどう生きるか』の原作は吉野源三郎の小説?大きな影響をもたらした作品
映画『君たちはどう生きるか』に大きな影響をもたらした作品は、吉野源三郎さんが執筆した同名小説『君たちはどう生きるか』です。


- 出版社:岩波書店
- 出版日:1982年11月16日
- 定価:990円(税込)
小説『君たちはどう生きるか』は、戦前の1937年に書かれたものだというから驚き。
戦後80年以上経過してもなお、色褪せることなく多くの人に読まれ続けており、「教育教養の古典」としても知られている作品です。
しかしこの小説は、映画『君たちはどう生きるか』の原作そのものとはなっていません。
影響をもたらしているのは、タイトルと主人公の思想部分、そして物語の核です。
一説によると、映画『君たちはどう生きるか』は、「吉野源三郎氏の小説の再解釈ではないか」との話もあります。
宮崎駿監督が、この作品に強い影響を受けたことがわかる記述があります。
小学生のとき、教科書に載っていた『君たちはどう生きるか』の冒頭部分に強い印象を受けたという宮崎監督は、年季の入った同書をスタジオに持参していた。若い制作スタッフにも読むよう勧めたところ「この本はまだ生きているね」と好評だったといい、作品のタイトルを決める段になって、一人が「『君たちはどう生きるか』がいい」と提案したのだという。
制作は当時まだ始まったばかりだったが、映画の序盤とラストシーンにこの本が登場することも、宮崎監督は既に決めていた。
引用元:好書好日



いつかはこの本を元に映画を作りたいと考えていたのかもね。
実は、映画『君たちはどう生きるか』に登場する主人公・牧眞人(まき まきひと)は、宮崎駿監督自身の少年時代をモデルにした人物なのだそう。


太平洋戦争の真っ只中、空襲の影響で最愛の母を亡くした主人公の少年は、郊外の疎開先で1冊の本を見つける。
そこから物語は急展開を迎え、ファンタジー要素の強い冒険物語へと進んでいくのですが、その本こそが、宮崎駿監督に強い影響を与えた小説『君たちはどう生きるか』だった、ということのようです。
宮崎駿監督が描く映画の中には、小説『君たちはどう生きるか』を彷彿させるシーンも度々登場するといいます。
「小説で描かれていたあのシーンは、あの設定は、もしやこのことか・・・?」と思い巡らせているうちに、あっという間に2時間の上映時間が過ぎていきます。
これから映画『君たちはどう生きるか』を観ようと思っている方は、ぜひ事前に吉野源三郎氏が執筆した同名小説を読んでから鑑賞しに行ってみてください。
本を読んでからいくことで、映画が何倍にも深く楽しく感じられるのではないかと思います。



すでに見た人も、後から読んでみると新しい発見にワクワクするよ。
小説『君たちはどう生きるか』の内容・あらすじ
原作小説『君たちはどう生きるか』の内容・あらすじは以下のようになっています。


主人公は「コペル君」というあだ名の15歳の少年。
本名を「本田潤一」といい、中学2年生です。
銀行の重役を務めていた父を2年前に亡くしてからは、郊外にある小さな家で、母親・お手伝いさんと共に3人で暮らしていました。
コペル君は、家によく遊びに来る、母の弟であるおじさんとの対話を通し、それまでには見えなかった「ものの見方」や「考え方」を学んでいきます。
- クラスで起きたいじめのこと
- 家が貧しくて学校に行けない友人のこと
- 戦争の絶えない世界のこと
- 人との関わり方や関係の結び方のこと ・・・など
身の周りで起きたことへの考え方、人とのつながり方から、「どう生きていくべきか」について答えを探していくコペル君の姿を通し、読者も深く考えさせられる物語となっています。



悩んだとき、何度も読み返したい1冊だよ。
小説『君たちはどう生きるか』作者・吉野源三郎はこんな人物


- 名前:吉野源三郎(よしの げんざぶろう)
- 生年月日:1899年4月9日生まれ(1981年5月23日没)
原作者の吉野源三郎さんは、児童文学者として数々の作品を創作する傍ら、編集者としても活動。
雑誌『世界』の初代編集長も務められました。
岩波少年文庫の創設にも尽力。
明治大学の教授、日本ジャーナリスト会議の初代会長、岩波書店の常務取締役、沖縄資料センターの世話人など、責務のある要職も歴任されました。
また、人柄も素晴らしく、「温厚な人徳者」としても知られていた人物です。
『君たちはどう生きるか』は漫画版も出版
小説『君たちはどう生きるか』は、漫画版も出版されています。


年齢を問わず、読んだ人の人生に大きな影響を与えるこの作品を、「もっと多くの人に手に取ってもらえるように」という想いから作られ、2017年に出版されました。
漫画『君たちはどう生きるか』の作画を担当したのは、羽賀翔一さん。


- 名前:羽賀翔一(はが しょういち)
- 生年月日:1986年生まれ
代表作には、『インチキ君』『ケシゴムライフ』『ダムの日』『昼間のパパは光ってる』などがあります。
漫画『君たちはどう生きるか』は、2017年に出版されてからおよそ1年後の、2018年3月には累計200万部を突破。
同じ年の「オリコン本ランキング」では1位に、「トーハン、日販、大阪屋栗田のベストセラー本」としても1位を獲得。
「ユーキャン新語・流行語大賞」でもタイトルの「君たちはどう生きるか」がノミネートされるなど、社会現象ともなりました。
映画『君たちはどう生きるか』原作が今すぐ読めるところ


映画『君たちはどう生きるか』の原作として、深い関わりのある小説や漫画を「今すぐ読む方法」と「読める場所」は、以下のようになっています。
- 原作小説を購入して読む
- 電子コミックで漫画版で読む



文字で読むのが苦手な人は、漫画の方が読みやすいかもね。
『君たちはどう生きるか』の小説を読む
「小説・君たちはどう生きるか」は電子書籍化されていないため、紙の書籍を購入するしか方法がありません。
書籍は「単行本(ワイド版・ソフトカバー)」と「文庫」の3種類発売されており、それぞれの定価と購入先は以下のようになっています。
- 小説『君たちはどう生きるか』単行本(ワイド版):定価1,540円(税込)
- 小説『君たちはどう生きるか』単行本(ソフトカバー):定価1,430円(税込)
- 小説『君たちはどう生きるか』文庫本:定価1,067円(税込)


『君たちはどう生きるか』の漫画を読む
漫画『君たちはどう生きるか』を読める主な場所は、以下の通りとなっています。
『君たちはどう生きるのか』の漫画は電子書籍化されているので、電子コミックを配信している上記のようなサービスで、今すぐ読み始めることができます。
特に上記の3サイトでは、お得に購入できるクーポンを配布しているので、定価の半額以下の価格で読むことが可能となっています。
ebook japanやamebaマンガでは、新規登録の方限定で「半額〜70%オフになるクーポン」を配布中。
登録時に必ずもらえるこのクーポンを使うことで、紙書籍よりはるかにお得に読むことができるので、ぜひぜひお忘れなく!



電子書籍は場所も取らないし、とてもいいいよね!


まとめ
映画『君たちはどう生きるか』には、物語をなぞった原作というものはありませんが、作品全体に大きな影響を与えた物語が存在していました。
吉野源三郎氏が執筆した小説『君たちはどう生きるか』です。
この小説は、映画『君たちはどう生きるか』のタイトルとして使われただけでなく、作品全体のメッセージ性や物語設定などにも影響を与えています。
映画『君たちはどう生きるか』を鑑賞する前や後に、作品に大きな影響を与えた小説を読んでみると、より深く物語を楽しむことができるかと思います。
答えのない世界で「私たちはどう生きるべきか」作品に触れたことをきっかけに考えてみるのも、また良いチャンスとなるかもしれませんね。



