映画『花腐し』原作は同名小説【解説】今すぐ読める所|あらすじ|原作者|感想評価|

映画『花腐し』原作は同名小説【解説】今すぐ読める所|あらすじ|原作者|感想評価|

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綾野剛さん、柄本佑さん、さとうほなみさんらが主演する映画『花腐し』。
原作は、松浦寿輝さんの同名小説です。

\この記事に書かれていること/

  • 原作はどんな物語なのか
  • 原作者はどんな人物か
  • 原作小説を今すぐ読めるところはどこか
ぱんねこ

花腐し』という作品を、より身近に感じることができるよ。

映画と合わせて、原作小説の魅力にぜひ触れてみてください。

まるっとさん

目次をクリックすると、好きなところから見られるよ。

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目次

映画『花腐し』原作は松浦寿輝の同名小説【作品解説】

映画『花腐し』の原作は、松浦寿輝さんの同名小説『花腐し』です。

\『花腐し』はこんな本/

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■書籍情報

  • タイトル:花腐し
  • 著者:松浦寿輝
  • 出版元:講談社
  • 出版日:2005年6月15日
  • 価格:単行本1,430円(税込)/文庫本660円(税込)

原作となった小説『花腐し』は、講談社の文芸誌『群像』に掲載された作品です。

2000年には『第123回芥川龍之介賞』を受賞
芥川賞の選考委員からは、「独自の強靭な文体」と賛辞されたほか、細かな空間の描写についても高い評価を受けています。

すでに確固とした文体を身につけている一人で、今度の作品も独自の強靭な文体で濃密な作品世界を構築していて危なげがない。ーー三浦哲郎

引用元:WEB第三文明

いつもながらこの作家の都会空間への精妙な感覚と描写は、並みのものではないーー田久保英夫

引用元:WEB第三文明

しかし、好意的な評価だけではなく「長く続く会話が陳腐」「物語の組み立てにやや無理がある」などの辛辣な評価も多々あり、芥川賞の受賞では迷いに迷って決定された1冊だったことが伺えます。

一般の読者の感想では「不気味な暗さがある」「話に没入できる」「言葉選びが難しく難解」といった意見もあり、全体的には、賛否両論のある作品と言えそうです。

松浦寿輝さんの作品の中で『花腐し』は、初の映像化作品となります。

映画『花腐し』は松浦寿輝さんの作品の中で初の映像化作品となった
出典元:Yahoo!ニュース

映画は2023年11月10日に公開。
原作の脚本化を担当したのは、映画『花腐し』の監督でもある荒井晴彦(あらいはるひこ)さんでした。

脚本を起こすに際し荒井晴彦さんは、原作にはないモチーフを取り入れることにも挑戦。
「映画界の斜陽」という表現の難しいテーマですが、元々あった『花腐し』のストーリーの中に上手く溶け込んでおり、見事だなと感じました。

映画『花腐し』原作小説のあらすじ・内容【ネタバレあり】

映画『花腐し』原作小説のあらすじ・内容【ネタバレあり】
出典元:日本の古本屋

原作となった小説『花腐し』は、以下のようなあらすじ・内容となっています。

小説『花腐し』はこんな物語

物語の舞台は、多国籍な街である東京都新宿区の大久保。

主人公の栩谷(くたに)は、デザイン事務所の共同経営者だった友人に騙され、借金を背負う羽目になっていた。

自身の仕事も上手くいかない日々の中、昔の恋人・祥子のことを度々思い出す栩谷。
祥子は十数年前に亡くなっているが、栩谷の心の中には、彼女への未練が残ったままとなっていたのだった。

ある日栩谷は、借金をしている消費者金融の社長・小坂から、借金を返す代わりに、ある依頼を受けた。
小坂からの依頼とは、取り壊しが決まった古いアパートで、唯一立ち退かない男・伊関を立ち退かせるというものだった。

栩谷が得体のしれない男・伊関の部屋を訪ねた。

部屋では、幻覚作用のあるキノコ『マジックマッシュルーム』が栽培されており、異様な雰囲気を放っていた。
奥の部屋では、裸の若い女性がマジックマッシュルームでバッドトリップしており、ベッドの上で意味不明なことを呟いているのだった。

その後物語は、主人公・栩谷と得体のしれない男・伊関とのやり取りを中心に進んでいくーー。

読み進めていくと、現実なのか非現実なのかが分からない、幻想的で不思議な感覚になります。

作品全体からは、雨のジメジメした新宿や、かび臭い古アパート、怪しいキノコの香りなど暗い雰囲気を感じました。
暗い話が苦手な方だと、読み進めるのが難しく感じるかもしれません。

しかし、物語の内容は暗いですが、どこか綺麗な印象も受けます。
松浦 寿輝さんの文体が洗練されていることが、その様な印象を感じさせるのだと思いました。

タイトルの『花腐し』は万葉集の中に出てくる言葉です。そして「腐し(くたし)」には、物を腐らせるという意味合いがあります。
この作品から伝わってくる雰囲気と非常にマッチしているタイトルだなと感じました。

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映画『花腐し』原作小説の作者・松浦寿輝はこんな人物

小説『花腐し』の作者・松浦寿輝さんは、以下のような方です。

映画『花腐し』原作小説の作者・松浦寿輝はこんな人物
出典元:毎日新聞
  • 名前:松浦寿輝(まつうら ひさき)
  • 生年月日:1954年3月18日
  • 出身地:東京都文京区

松浦寿輝さんは、小説家として活動するだけではなく、詩人・フランス文学者・評論家・東京大学名誉教授の顔を持つ多才な人物です。

松浦寿輝さんは受賞歴も素晴らしく、これまでに以下のような賞を獲得されています。

  • 1988年『第18回高見順賞』受賞(詩集『冬の本』にて)
  • 1995年『第5回吉田秀和賞』受賞(研究『エッフェル塔試論』)
  • 1996年『第9回三島由紀夫賞』受賞(評論『折口信夫論』にて)

多方面で多数の賞を受賞してきた松浦寿輝さんですが、現在は『毎日出版文化賞』『高見順賞』『読売文学賞』の選考委員としても活躍
新たな執筆家の育成にも、貢献されています。

ぱんねこ

賞を与える側になったんだね。

松浦寿輝さんの代表作には、以下のような作品があります。

  • 詩集『冬の本
  • 詩集『afterwards』
  • 研究『エッフェル塔試論
  • 評論『折口信夫論
  • 小説『
  • 小説集『あやめ 鰈 ひかがみ
  • エッセイ『わたしが行ったさびしい町
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ぱんねこ

知ってる作品はあった?

松浦 寿輝さんは幼少期から映画に親しみがあったそうです。
家のすぐ裏に映画館があったと評論集の中に記載されています。

クリント・イーストウッドやアルフレッド・ヒッチコック監督の作品が好きなのだそうで、東大で映画の講義も行っています。

幼少期から「世界とどことなく噛み合わない」と感じ、孤独感を抱くことが多かった松浦寿輝さん。
いつしか「世界と自身を結びつけるものは言葉しかない」と思うようになっていったそうです。

「何かを作りたい」という欲求から、詩を書き始めたそうで、1977年から1979年に、文学者の沼野充義氏などとともに、文芸雑誌『新思潮』で詩を書いていました。

1978年には、フランスに渡り論文を執筆
詩と論文を書くことによって、自分の表現を創ることに励んでいたといいます。

松浦寿輝さんが小説を書き始めたのは、『大航海』の編集をされていた三浦雅士さんから依頼されたことがきっかけなのだそう。

以降、1年に1作品は発表するようなペースで、小説を発刊。
小説家・松浦寿輝にしか書けない世界観と文体で、読む者の心情にヒタヒタと訴えかける物語を創作し続けています。

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映画『花腐し』原作小説を読んだ人の感想・レビュー

映画『花腐し』原作小説を読んだ人の感想・レビュー

原作小説『花腐し』を読んだ方々からは、以下のような感想・レビューが寄せられていました。

2000年以降に芥川賞を取った小説を今さながら買い求め読んでいるが、その中でも心に残った作品のいくつかの一つだ。
アパートの追い出しをかけに訪れた部屋で居残る住人と追い出す側の主人公・・・
ほんの半日の物語だ・・・
空っぽになったときに本当に見えるのが「心の花・・・・」
もちろん自分自身が空っぽの奥深い境地など垣間見えないだろうけど
そこまでにいく心象風景・・・
自分の一言が恋人を死なせた考える主人公・・・・
素晴らしい作品だと思います

引用元:Amazon

主人公の性と生に対して淡白になり、腐っていく諦めの情景が外では雨が降り続いている、という情景、更には東京という街全体が放つ腐臭と重なり、どんよりした空気が流れてるなぁと思わせながら、詩的な描写の官能小説を思わせる表現がこれまた僕を刺激した。

短編小説だし、読みやすいんだけど、さすが芥川賞だけあって、ちゃんと考えながら読まないと今の僕には断片的な部分しか記憶に残らないかも、と思い、慌てて、また読み直してみたり。

こういうの文学って呼ぶのかな、って思ったけどそうじゃない。
良書は読む人を選ぶものなのかな。

引用元:ブクログ

昔のつげ義春風の幻想世界。
それを小説に丹念に変換したという印象をもった。

始まりから終わりまで一定したリズムで語られる、潰れかけのアパートや、死にかけの金魚、大量の茸、怪しげな男と女、そして自らの過去に絡めとられる孤独な中年男性…。

確かに独特の雰囲気はあるが、やはり既視感を拭い切れない。
新人作家に贈られる芥川賞なのだから、もう少し新しさが欲しかったが、それでもこの怪しげな世界観は秀逸だと感じた。
万人受けはしないが、力量のある作家なのだろう。

引用元:Amazon

\自分ならどう感じる?/

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映画『花腐し』原作小説が今すぐ読めるところ・買えるところ

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映画『花腐し』原作小説が生まれた訳

映画『花腐し』の予告動画と共に

小説『花腐し』は、主人公が夢や幻覚を見る場面が多く、その描写はとても繊細で詩的なものを感じることがあります。
これは、文章を書くことの始まりが詩であったことが、要因になっているのかも知れません。

また、小説の中の緻密な情景描写は、映画好きだった幼少期からの影響を受けているようにも思います。

松浦寿輝さんは、インタビューの中で「小説家の心は飢えて、乾いて、何かを求めていなければならない。つまり、現状に満足しないということ。」「もう一つ必要なものがある。イマジネーションです。今ここにないものを想像する力です。」と語られています。
常に新しい物を生み出したいという気持ちと、豊かな想像力が『花腐し』という作品を創り出すことに、大きな力となったのではないでしょうか。

また、小説『花腐し』には、水を感じる描写が多いのですが、中でも印象的なのは「川」への思い入れです。
これには、松浦寿輝さんの生い立ちが影響しているようです。

松浦寿輝さんの生家は味噌屋で、幼い頃から「隅田川」に馴染みがあったそうです。
しかし、時が経つにつれ、文京区、新宿区、世田谷区と徐々に住まいが隅田川から離れていったそう。

当時松浦寿輝さんはまだ幼かったようですが、子どもなりに「隅田川の風景から随分遠ざかった」という思いがあったそうです。

そういった、川への想いやノスタルジーも小説に反映されており、『花腐し』の中では、「新宿や渋谷の繁華街を歩いていてそのままふと足を伸ばすと滔々と流れる水べりに出るといったことができないのは何とさみしいことだろう」と書かれています。

小説『花腐し』は、松浦寿輝さんの持つ感性や思い入れが色濃く反映されている作品でもあります。
芥川賞審査員たちを唸らせた、静かな風雲児とも言える松浦寿輝さん渾身の一作をぜひ一度、手に取って体感してみてください。

\芥川賞受賞作/

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【まとめ】映画『花腐し』原作小説はひたひたと心情に訴えてくる詩的な物語だった

映画『花腐し』の原作小説は、松浦寿輝さんの同名小説『花腐し』でした。

詩を書くことから始めた松浦寿輝さんの書く文章は、描写がとても繊細で、詩的な雰囲気を持っています。
文字を読んでいるだけなのに、まるでその場にいるかのような空気感や匂いを感じるのは、それだけ松浦寿輝さんの描写が秀逸だからではないでしょうか。

芥川賞の選考でもかなり意見が割れたようですが、小説『花腐し』は読む人によって感想が大きく異なります。
どんな世界観が広がっているのか確かめに、小説『花腐し』をぜひ手に取って読んでみてください。

ぱんねこ

たまにはこういう純文学もいいよね。

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