宮沢りえさん、磯村勇斗さんが主演する映画『月』。
原作は、辺見庸さんの同名小説です。
\この記事に書かれていること/
- 原作はどんな物語なのか
- 原作者はどんな人物か
- 原作小説を今すぐ読めるところはどこか

『月』という作品を、より身近に感じることができるよ。
映画と合わせて、原作小説の魅力にぜひ触れてみてください。



目次をクリックすると、好きなところから見られるよ。
映画『月』原作は辺見庸の同名小説【作品解説】
映画『月』の原作は、辺見庸さんの同名小説『月』です。
\小説『月』の詳細ページへ/


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■書籍情報
- タイトル:月
- 著者:辺見庸
- 出版元:KADOKAWA
- 出版日:2018年10月31日
- 価格:単行本1,780円(税込)/文庫本1,034円(税込)
『月』は2021年2月25日に角川文庫から出版された小説です。
作者は『もの食う人びと』『自動起床装置』などで知られる辺見庸さん。
辺見庸さんは、2016年に起きた「津久井やまゆり園事件」を知った際に「書かなければならない」と感じ、この作品を執筆したのだそうです。
主人公は重度障害者の「きーちゃん」。
きーちゃんは動くことも見ることも、そして話すこともできず、光の当たらない暗い病室で10年も過ごしている人物です。
この作品は津久井やまゆり事件をモチーフに描かれていますが、きーちゃんはその事件で被害者となった人物でもあります。
この『月』という作品が他と際立って異質なのは、そういった「後にいなくなってしまう人物」が主人公として物語のナレーション的存在となっている点。
本来ならば、話すことはおろか、見ることすら出来ない人物が物語を進行していくという点は、かなり斬新だと感じました。
そういったところからも、作者が事件を知った際に感じた「使命感」が、いかに強かったかが伝わってくる作品だと思います。



気になってつい手を伸ばしてしまう一冊。
映画『月』原作小説のあらすじ・内容
原作となった小説『月』は、以下のようなあらすじ・内容となっています。
\小説『月』はこんな物語/
小説『月』は、過去に起きた実際の障害者殺傷事件を元に創られた作品です。
元作家の洋子は山奥にある障害者施設で働き始めましたが、そこで衝撃の事実を知ることになります。
自身を師匠と慕う夫と毎日を慎ましく暮らしていた洋子が施設で出会ったのは、絵が好きだという同僚のさとくんや、同じく同僚で作家を志している陽子、そして入所者のきーちゃん。
洋子はきーちゃんが自分と同じ生年月日であることに不思議な縁を感じ、10年もの間太陽の光すら差し込まない暗い部屋で寝たきりの状態の彼女を他人とは思えずにいました。
ところがある時、洋子はこの施設における理不尽な実態を知ることに。
なんと、施設の職員が入所者に対して日常的に暴力行為や差別的な扱いをしていたのです。
そんな実態に誰よりも憤りの感情を抱いていたのがさとくんでした。
そして、さとくんの怒りの感情は使命感や正義感と共に次第に大きくなっていき、ついに爆発してしまうことに…。
この作品もそうですが、実際に起きた事件を題材にして作られる作品は数多く存在します。
作者である辺見庸さんは、ノンフィクションではなく小説としてこの事件と向き合い「書きたい」と感じたようです。
作品の主人公であるきーちゃんは、本来であれば目も見えず言葉を話すこともできません。
しかし、そんなきーちゃんの語りで物語が進んでいくのがこの作品の大きな特徴のひとつです。



不思議な感覚に包まれていくよ。
事件を起こしたさとくんの思想では、「排除されるべき存在」とされていたきーちゃん。
物語の進行役という役割を与えることにより「存在する」ということがどういうことなのかを、強烈に問いかけてくる作品です。
また、作品の背景にある、「弱者を差別し排除しようとしたがる現代社会の問題点」についても深く考えさせられました。
\小説『月』の物語を知る/


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映画『月』原作小説の作者・辺見庸はこんな人物
原作となった小説『月』の作者・辺見庸さんは以下のような方です。


- 名前:辺見庸(へんみ よう)
- 生年月日:1944年9月27日
- 出身地:宮城県石巻市
辺見庸さんは元共同通信社の記者で、小説家や詩人、ジャーナリストとして活動している方です。
辺見庸さんの代表作には、以下のような作品があります。
- 小説『もの食う人びと』
- 小説『自動起床装置』
- 小説『赤い橋の下のぬるい水』
- 小説『水の透視画法』
- 小説『純粋な幸福』




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知ってる作品はあった?
辺見庸さんが本格的に作家を志すようになったのは、1991年に起きた「地下鉄サリン事件」がきっかけだったそうです。
辺見さんは元々、共同通信社で記者をされていた方ですが、その頃は外信部のエース記者として活躍されていました。
そして、記者の仕事をしながら様々な著書を執筆。
『近代化を進める忠告に関する報道』では新聞協会賞、『自動起床装置』では芥川賞を受賞しています。
記者時代、辺見さんは海外へ取材に出掛けることもしばしばあり、中には危険で残酷な現場も珍しくはなかったのだそう。
そういった現場で辺見さんが感じたのは、目の前で起きている残酷な現実に対して、自分は「傍観者」でしかいられないという悔しさでした。
だからこそ、1991年に起きた地下鉄サリン事件で辺見さんは、事件で被害にあった人の救助を行ったといいます。
自身を突き動かしたこの事件をきっかけに、辺見庸さんは本格的に執筆活動を開始。
文章を通して、世の中に多くのメッセージを投げかけ続けています。
\辺見庸さんが伝えたいメッセージとは/


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映画『月』原作小説を読んだ人の感想・レビュー


原作小説『月』を読んだ方々からは、以下のような感想・レビューが寄せられていました。
とても重い内容で読むのが大変でした。
引用元:読書メーター
文圧がとめどなく襲ってきます。
凄い作品に出会ってしまいました。
津久井やまゆり園の大量殺人事件にモチーフに描かれた小説。
引用元:読書メーター
なぜ読むのに時間を要したのだろう。目を背けたかった。
強烈なエネルギーで読者に問いかけてくるから、向き合いたくなかった。
「おまえはどうなんだ?」
「 多くの識者のように外側から眺めているだけではないか?」
「自分の欺瞞や矛盾と対峙しているのか?」。
終始問われ続けているような気がした。
まだ答えは出せないけど、少なくとも僕に何ができるのかを考えたい。
絶望の中にあっても、何かできるはずだ。
それを考えることが、僕なりのあの事件への向き合い方だ。
映像を見る勇気はないけれど、やっぱり気になって手にしたこの本。
なんでこんなに読むのが苦痛な本を読んでるんだろうって、思いが頭の中をぐるぐる。何にも知らないで、綺麗事言って、良い人ぶってるだけなんじゃないの?
って、突きつけられてる気がする…。植松死刑囚が描いた絵を思い出す。
あの絵を見た時、狂気の沙汰だ…一線を超えた人の絵だ…とふと思った。
なにが彼を、その一線へと追いやってしまったんだろう…。夜寝る前に読む本じゃなかった…。
引用元:ブクログ
けど、読むべき一冊だと思う。
クリックで開きます☺︎
「読み進めるのが大変だった」「読んでいる途中何度も苦しさを感じた」と、重めの感想が多い印象でした。
善とは、悪とは。
何が正解なのかーー。
考えても考えても答えに辿りつかないような問いを、ストレートに投げかけてくる作品です。
読む途中に感じる苦しさとは反対に、読後は「読んで良かった」「良書だった」の声が多いのも特徴的。
できれば、「関わらずに知らずにおきたいようなこと」に対し、時には「目を背けず向き合うことも必要である」と作者から訴えられているかのようで、重い話ながら、読後は生きていく勇気や根拠をもらえたような気分になります。
読む人により感じることはかなり違いますが、この物語から自分なら何を感じるのか、ぜひ本書を手に取って確かめてみてください。
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映画『月』原作小説が生まれた経緯
『月』は、相模原にあるやまゆり園という施設で、実際に起きた殺傷事件を元に書かれた小説です。
事件は世間を震撼させ、多くの人に衝撃を与えましたが、なぜかそれほど長い間人々の話題になり続けることはありませんでした。
あれほどまでに陰惨な事件がどうしてこんなに早く風化してしまうのか…というよりむしろ、みんな早く忘れてしまいたいとさえ思っているのではないか。
作者である辺見庸さんはそんな状況に疑問を感じ「覚悟」をもって「書かなければ」という思いに駆られたのだそうです。
作品を書く上で辺見さんが大切にしたのは「視点の移し替え」。
作品中では施設職員による障がい者への暴力が描かれていますが、偏向なく描くためにはその描写を障がい者側から見た視線で行う必要があったのです。
執筆を終えた辺見さんは疲労を感じつつも、自身が当初持っていたモチベーションと執筆後の作品としての結果には「乖離がない」という手応えを感じたのだそう。
こうして、小説『月』は世の中に誕生したのでした。



辺見庸さんだからこそ書けた物語。
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【まとめ】映画『月』原作小説は目を背けてはいけない事実を突き付ける辛辣な物語だった
映画『月』の原作は、辺見庸さんによる同名小説『月』でした。
相模原にある障害者施設で実際に起こった凄惨な事件を元に描かれたこの物語。
あの時、実際の現場では何が起きていたのか。
犯人はなぜそんな事件を起こしたのか。
被害者やその家族の想いとはーー
『月』という物語が伝えてくるメッセージに、読んだものは何を思うのか。
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